愛してるって言って
そうこうしているうちに蒼ちゃんのアパートに到着した。


勧められるがままにお風呂に入って、さっき着ていたスウェットを着る。


髪を軽く乾かしてからリビングに戻ると、蒼ちゃんと圭ちゃんはソファーに座ってコーヒーを飲んでいた。



「あったまった?」



あたしを見つけるなり、圭ちゃんはそう訊いてきた。



「うん。あったかかったよ。蒼ちゃん、ありがとう」


「ん、よかった。頬に赤みがさしてきた」



蒼ちゃんが瞳を細めてやさしく微笑みながらそう言うから、あたしの心臓はどきんっと大きすぎるほどの音をたてる。


あたしの一番好きな蒼ちゃんの表情を見せられてしまったからか、鼓動は走り出したまま止まらなくなって。
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