愛してるって言って




「ほんとにいいのか?」


「ん。雨はもうあがったし、それに今日はデートだからさ」



車で送ってくれるという蒼ちゃんの申し出をやんわりと断った圭ちゃん。


この後の天気予報を見たら、雨は降らないだろうと予報されていた。


天気予報が外れなければ歩きでも大丈夫だもんね。


お風呂に入っている間に乾かしてくれた服を着て、蒼ちゃんから念のためにと渡された傘を手にしてアパートを出た。



「これからどうするの?」


「涼夏は行きたいところある?」


「え、行きたいところ?」


「ん」


「特にないけど」


「そっか。……じゃあ、うちに来る?」


「……うん」



指を絡めながら手を繋いで、圭ちゃんの家へ向かった。
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