愛してるって言って
話を遮られた絢華ママは唇を尖らせながら、「相変わらず冷たいんだから」と言い放っていた。



「絢華ママの話も聞いてあげればいいのに」


「何言ってんだよ。今日は夕飯前に帰らなきゃならねーんだろ? 母さんと話なんかしてたら、時間が勿体ねーだろ」



夜は家族でお祝いするから帰ってきなさいと言われているから、圭ちゃんとはそれまでしか一緒にはいられない。


だから圭ちゃんの言いたいこともわかる気がする。



「涼夏ー、お誕生日おめでとう!」



階段を上がりきったところで、優華ちゃんとばったり会った。



「優華ちゃん、ありがとう」



あたしがそう言うと、優華ちゃんは何かを探るように圭ちゃんやあたしの後方をじっと見ている。



「あれぇ~、お兄ちゃんは?」


「え」
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