愛してるって言って




「そろそろ帰らなきゃ」


「あー、そうだな」



ちょっぴり溜め息混じりの声を出した圭ちゃんを横目に立ち上がろうとすると、



「きゃっ」



腕を掴まれたと思ったらぐいっと引き寄せられて、その勢いで圭ちゃんの胸に倒れ込んでしまった。



「ちょっ、圭ちゃん!」



倒れ込んだと思っていたけれど、よく見たら圭ちゃんの足の上に座っていて。


恥ずかしくなって慌てて離れようとするけれど、圭ちゃんの腕があたしの腰に回ってそのまま唇を重ねてきた。


ちゅっちゅっと啄むようなキスを数回繰り返したあと、唇の隙間をわって舌を滑り込ませてくる。


あまりにも大人すぎるキスにどうしていいのかわからなくなり、目の前のシャツをぎゅっと掴みながらされるがままになってしまう。
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