愛してるって言って




夕食を食べて少し休んだあと、蒼ちゃんは「送ってく」と言いながら立ち上がった。


「もっと一緒にいたい」と言ったら「明日も学校だろ?」と、あたしの言葉を軽く流しながら鍵を手にして玄関へ歩いていく。


そうなったら、あたしも蒼ちゃんの言うようにするしかなくて。


唇を尖らせながら、蒼ちゃんについていった。



「なんだよ、その顔は」



外へ出てアパートの鍵を締めたあと、振り向き様に蒼ちゃんがそう言ったから、



「もっと一緒にいたかったのに」



さらに不満そうな表情を作ったら、蒼ちゃんにぷっと吹き出された。


笑わせようと思った訳じゃないのに。


あたしの想いが伝わってほしくて作った表情だったのに。


蒼ちゃんはいつもあたしを子供扱いするんだ。
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