愛してるって言って
「そういや、さっき……」



そう言った蒼ちゃんは、あたしの顔を覗き込んできた。



「えっ、なに?」


「飯食ってくるって言ってきた、って言ってただろ?」



飯食ってくる?


あ、ママに……ってことかな?



「それがどうしたの?」


「俺んとこに来てるのは知ってるわけ?」


「うん、蒼ちゃんのところに行くって言ってきた」


「何て言ってた?」


「えっ」



蒼ちゃんは少し困った顔をしながら訊いてくる。


って、なんで困っているの?



「特に何も言ってなかったよ。ママはいつも蒼ちゃんとこなら安心だって言っているし。蒼ちゃんって信用あるんだね」


「そっか」



そう言ってほっとした表情を見せた蒼ちゃん。


ちょうどそのとき信号が青に変わったから、蒼ちゃんは車を発進させた。
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