愛してるって言って
「すず」



あたしの頬に蒼ちゃんの大きな手が添えられて、そのまま蒼ちゃんを見上げる。


そしたら綺麗な瞳が真っ直ぐに、あたしを見つめていて。



「蒼、ちゃん?」


「もう一回言って?」


「え」


「もう一回、愛してるって言ってみて?」


「……」



さっきは勢いで言えた。


それに「好き」なら何度でもすぐに言える。


けれど「愛してる」って言葉は、どこか恥ずかしさを感じて言うのを躊躇ってしまう。



「じゃあ、蒼ちゃんも、言って?」



あたしがそう言うと、蒼ちゃんはふっと頬を緩ませた。



「ん、いいよ」



そしてゆっくりとあたしとの距離を詰めてきながら、



「すず、愛してる」



耳元で囁かれた声に、身体中がぞくりと震える。



「蒼ちゃっ……」
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