愛してるって言って
「父さん、母さん、……話があるんだけど」



リビングで、ソファーに座って寛ぎながらテレビを観ている二人に声をかける。


俺の声に、ゆっくりと振り返ったけれど、二人とも40才を過ぎているのに、いまだに仲良く寄り添っている姿は凄く微笑ましい。



「蒼太、どうしたの?」



首を傾げながら不思議そうな顔をしている母さんの横で、父さんは口の端に笑みを浮かべながら、からかうように口を開いた。



「結婚でもするのか?」



俺がすずと付き合っていることは、わかっているはず。



「まあ、考えてはいるけど、すずはまだ高校生だっつうの」



確かにもう結婚できる年だし、すずもその気になっているけれど、さすがに高校生のすずとは結婚できない。


そもそも蓮くんが許すはずもないし。
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