愛してるって言って
けれど、突然梢の表情がパッと花が咲いたように変わって、身を乗り出しながら口を開いた。



「ちょっと涼夏っ! 今、幼馴染みって言った!?」


「うん、言ったけど?」



あたしがそう言うと、あたしの手をぎゅっと握って、かなり興奮気味に声を張り上げた。



「昨日のイケメンも幼馴染みって言っていたじゃん!」



昨日のイケメン?


あ、それって圭ちゃんのこと?



「圭ちゃんと蒼ちゃんは兄弟だよ」


「マジッ!?」


「うん」


「じゃあ涼夏の好きな人もイケメンなんだ?」


「うん! 圭ちゃんよりカッコイイよ」



蒼ちゃんの笑顔を思い出すと、自然と頬が緩む。


蒼ちゃんの笑顔は、あたしの心臓を壊しちゃいそうなほどにカッコイイんだもん。
< 42 / 376 >

この作品をシェア

pagetop