愛してるって言って
昇降口で靴を履き替えて外に出ると、辺りは既に薄暗くなっていた。
サッカー部の方から聞こえてくる騒がしい声は相変わらずこの場には不釣り合いで、思わず溜め息が出てしまう。
そして正門の方へ歩き始めたとき、入学式翌日と同じように、
「涼夏」
という声が耳に届いてきた。
振り向くとやっぱりそこには圭ちゃんがいて。
「今帰り?」
「うん」
「じゃあ一緒に帰ろうぜ」
今日は二週間ぶりに蒼ちゃんのアパートへ寄るつもりだった。
明日は土曜日だし?
前回の二の舞にならないようにわざわざ金曜日を選んだのだ。
なのに圭ちゃんがいたら、蒼ちゃんのところに長くいられるかもしれないけれど、二人きりの時間が全くなくなってしまう。
だからといって何か理由を付けて別々に帰ろうとしても、今の圭ちゃんにはきっとあたしが蒼ちゃんのところへ行くってバレてしまうと思う。
二人で蒼ちゃんのところに行くしかないのかな。
サッカー部の方から聞こえてくる騒がしい声は相変わらずこの場には不釣り合いで、思わず溜め息が出てしまう。
そして正門の方へ歩き始めたとき、入学式翌日と同じように、
「涼夏」
という声が耳に届いてきた。
振り向くとやっぱりそこには圭ちゃんがいて。
「今帰り?」
「うん」
「じゃあ一緒に帰ろうぜ」
今日は二週間ぶりに蒼ちゃんのアパートへ寄るつもりだった。
明日は土曜日だし?
前回の二の舞にならないようにわざわざ金曜日を選んだのだ。
なのに圭ちゃんがいたら、蒼ちゃんのところに長くいられるかもしれないけれど、二人きりの時間が全くなくなってしまう。
だからといって何か理由を付けて別々に帰ろうとしても、今の圭ちゃんにはきっとあたしが蒼ちゃんのところへ行くってバレてしまうと思う。
二人で蒼ちゃんのところに行くしかないのかな。