愛してるって言って
「涼夏?」



いつまでも何も言わないからか、圭ちゃんがあたしの顔を覗き込んできた。



「わっ! 何!?」



あまりにも近すぎる距離に圭ちゃんの顔があるから、吃驚してパッと離れた。


その瞬間にすぐ隣にいる梢が視界に入ってくる。


あ、そうだ。


その瞬間、頭の中にある考えが浮かんできたから、



「わかった。待ってるね」



そう言うと、圭ちゃんはいつものようにあたしの頭をぽんぽんと撫でながら、



「すぐ着替えてくるから」



と言ってそのまま部室の方へ走っていった。


その背中から隣に視線を移す。



「梢も一緒に帰るでしょ?」
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