one LIFE。




あたしの父親はあたしが嫌いだ。

だからあたしが少しでもうるさくすると、それを理由に殴ったりする。



それが家庭の中だけだったらまだ我慢できたけど………


海里の前でもあたし殴ってきた。


海里が止めてくれたから良かったけど…………。




あたしは部屋の中で必要なものを大きい鞄に詰め込んだ。


早く準備して海里の家に行こう。

父親に会ったらきっと殴られる。


そしたら明日、遼に会えないよ。



あたしは鞄を閉め、部屋を出た。



するとそこにはお母さんがいた。



「これ、持って行きなさい。

いくら彼とだからって必要でしょ?」




お母さんが渡してきたのは通帳だった。



「………ありがとう。

じゃぁ時々連絡するから。」




あたしはそう言い残し、家を出た。







< 117 / 136 >

この作品をシェア

pagetop