one LIFE。
あたしの父親はあたしが嫌いだ。
だからあたしが少しでもうるさくすると、それを理由に殴ったりする。
それが家庭の中だけだったらまだ我慢できたけど………
海里の前でもあたし殴ってきた。
海里が止めてくれたから良かったけど…………。
あたしは部屋の中で必要なものを大きい鞄に詰め込んだ。
早く準備して海里の家に行こう。
父親に会ったらきっと殴られる。
そしたら明日、遼に会えないよ。
あたしは鞄を閉め、部屋を出た。
するとそこにはお母さんがいた。
「これ、持って行きなさい。
いくら彼とだからって必要でしょ?」
お母さんが渡してきたのは通帳だった。
「………ありがとう。
じゃぁ時々連絡するから。」
あたしはそう言い残し、家を出た。