one LIFE。
コンコンッッ
「失礼します。」
入ってきたのは雅哉だった。
「海里ちゃん、メール待ってるのに。それにお酒は飲んじゃだめでしょ。」
まるで父親みたいに言う。
「いいじゃん別に。」
「だーめ。没収。」
なんなの、こいつ。
「那奈が来てんの?」
「うん。別れようって言ったらここまで来ちゃった。」
「こんなとこ居ていいの?」
「今ごろ探し回ってる。見つかるのは時間の問題かな。」
じゃぁ行けばいいのに、雅哉の顔は凄く楽しそうでイキイキしてる。
「今日は帰る。メールするから。」
「わかった。近くまで送るよ。」
そして私と雅哉は個室を出た。
「雅哉!!話しはまだ終わってない!!」
那奈がいた。那奈の顔は酷く泣き顔で、けれど怒りに満ちていた。昨日の那奈が嘘みたいだ。
「那奈、消えろ。邪魔。別れるつったら別れんだよ。」
こんな雅哉も初めてだ。冷めてるみたい。
「なんで海里がいるのよ!!もしかして海里が雅哉を取ったわけ!?ありえねぇーんだけど!!」
那奈は凄く取り乱していて叫んでるみたい。
「那奈、帰れ。」
「いやよ!!別れたくない!!」
「………帰れ!!」
雅哉が那奈に怒鳴った。那奈は一瞬で静まり、我に帰る。
「那奈、大丈夫?」
私は心配して話しかける。すると那奈は私を睨み付け、店から出ていった。