one LIFE。



その時、荒々しい足音がした。



「美里!!帰ってきたのか!?」



お父さんの声………。


あたしは急いで鍵を閉めて隅に丸く座り込んだ。




「美里!!いるなら返事しなさい!!美里!!」


お父さんはドアをドンドン叩く。


そんな中、あたしの携帯にメールがきた。



『大丈夫か?

今、お前の家の前にいるんだけど来れるか?』



送信者は遼……………。


家の前にいる?

あたしは急いで窓を開け、玄関のほうを見る。


ピンポーン



ちょうど遼はインターホンを押したとこだった。


もし今、家に入ったら全てを知られてしまう……。


どうしよう……………。




「美里!!出てこい!!」



お父さんはインターホンが鳴ったのに気にしないであたしを呼ぶ。


インターホンが鳴らなくなったってことはお母さんが出たのかな…………?



あたしはもう一度窓から顔を出す。


そこには遼の姿はもうなかった。




「あなた、美里の学校の方がいらっしゃったわよ。」



お母さんの声がかすかに聞こえた。


遼は家の中にいるらしい。



「なんで来たんだ?

美里!お前、学校でまた問題起こしたのか!!

最近は静かだったの思ったら!!」



「あ、あなた………

先生がいらっしゃってますから、今は………。


美里、いるなら降りていらっしゃい。」



お母さんは優しい声であたしに言った。



「お母さん、あたし………。」



「お父さんはもう下に降りたわよ。

美里、先生にあとで部屋に来てもらうわね?」



お母さんはそう言い残し、ドアの前から去って言った。



遼、あたし恐いよ………。









< 125 / 136 >

この作品をシェア

pagetop