one LIFE。




「…………美里!!」



ボーっとしてると大きい声で誰かに呼ばれた。


声のするほうに振り向くと



「…………海里?」




海里が走ってこっちに向かっていた。



「海里、なんでぇ?」




「あんた…………南樹先生がどれだけ心配してるか分かんないわけ!?」



海里は怒ってる声であたしに怒鳴る。



「南樹先生、私や雅哉、一輝や舞魅にまで電話してきたんだよ?」



そんなに心配してるんだ………。



「か、いり………あたし遼と話すと素直になれなくって………あたしただ知られたくなかった!」



父親のことを話すにはまだまだ時間が欲しい。


簡単に話せることじゃないんだ。





「とにかく私の家に来る?」



海里は心配そうに聞いてきた。


あたしは黙って頷くことしかできなかった。









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