one LIFE。


その夜、私たちはバーに行った。


「海里、舞魅ちゃんいらっしゃい。」


一輝の出迎えで中に入る。


「海里ちゃん、いらっしゃい。」


雅哉がきた。


隣を見ると舞魅と一輝は二人でカウンターに座っていた。あの二人ならきっと大丈夫………なんとなくそう思った。


「海里ちゃん、美里にいろいろ言われてるんでしょ?辛くない?海里ちゃん、素直じゃないから舞魅にも相談できないでしょ?」


なんでだろう。舞魅だっているのに………雅哉の声はとても落ち着いてるから?雅哉に真実を見抜かれたから?


私は泣いてしまったんだ………。


「どうして私だけ………私は人生を楽しく生きたい。ただそんだけなのに……。あんたに会ってから狂った。けど雅哉がいないと寂しいし………。けどこんな自分が時々虚しく感じる………。那奈を泣かせたのは自分………ほっとくつもりでも心の中ではずっと後悔してて…………。美里に言われて当たり前なのに………辛いの………。」


私は自分の気持ちを全て雅哉に打ち明けた。


「当たり前なんかじゃないよ。海里ちゃんは良い子だ。安心して。」


雅哉は優しく私の頭を撫でてくれた。母親とさえ話さなくなってしまった現在、雅哉の優しさは母親のようで……けれど大切な人。




私は雅哉のことが好きだ。






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