one LIFE。
海里の過去
あれは海里が中1の頃。
「悠(ハルカ)!!」
海里が誰かを呼ぶ。悠とは俺の兄貴の名前だ。兄貴は中3で自慢の兄貴だった。
「海里、どうした?」
「明日、デートしよ?」
あの時の海里は不良なんて感じさせないほどの素直な子供だった。そして汚れをしらない。
「いいよ。」
「兄貴と海里ってウザいくらいラブラブだよなぁ。」
「海里は僕の彼女だからね。卓巳も大切な子ができればわかる。」
兄貴と海里はいつも幸せそうだった。皆に祝福されていた。
俺はどうしてあそこまで好きになれるのかわからなかった。
しかしある日、
「悠!!はるかぁー!!」
家の前で海里は泣いていた。
「海里!!どうしたんだ!?」
海里は泣き続けた。ずっと兄貴と呼びながら………。
俺は家に入るようにすすめた。
しかし………
「今はだめなの………。」
「なんで?」
「悠が変なの………。」
兄貴が変………?
俺は急いで家に入り、兄貴の部屋に入った。
兄貴の部屋には変な匂いが漂っていた。
そして兄貴はベッドの上で袋を口元に持って何かを吸っていた。ガキの俺でもわかったのはシンナーだってことだ………。
きっと海里はこの状態を見たんだろう。けれど海里はなぜ外からずっと兄貴の名前を呼んでいたんだ?
とにかく俺は兄貴のとこにいった。
「兄貴!!目覚ませよ!!」