one LIFE。
俺は卓巳と別れて、バーにきた。
「一輝さんっていつから海里と知り合いなんすか?」
「あー?あいつが中2のときだ。俺がまだバーを開店してなかった頃だな………。」
一輝さんは煙草を吸いながら遠い目をしていた。
「あんときの海里はよぉ、荒れまくってて怖かったけど目が死んでた。理由は知んないけど。んでいつも卓巳って奴が海里の近くにいたなぁ………。」
きっとその頃から卓巳は海里を守ることを決めていたんだろうな………。
「けど雅哉と出会って生きてる女になった………。今まで見たことない海里を見た。お前のおかげだな。礼を言うよ………。」
その言葉を聞いてなぜか涙が出た。マイナスにしか考えられなかった俺を励ます言葉だった。
「ありがとうございます………。」
一輝さんが先輩で良かったって今思った。