one LIFE。




「じゃぁ美里、ばいばーい!」



海里は雅哉とデート、
舞魅は一輝さんのバーに呼ばれたらしい。


良いなぁ、二人とも幸せそうで。




「遠山、待たせたな。」


み、南樹先生………。



「………悩みとかあるのか?」




な、悩み?

悩みってあんただよ!!って
大声で言ってあげたい。



「ありませぇーん。」



「ふぅーん?なんで俺の授業だけ真面目に受けない?そんなに俺が嫌いか?」



嫌いなわけないよ………。
なんでそんなこと言うの?

南樹先生の声が急に不機嫌になった。
言い方が悪かったの?

どうしよう…………。



「ち、違う!!」



とにかく否定した。



「じゃぁなんでだ?」




「それは…………先生は彼女いる?」



噂ではいるって聞いた……。

けど信じたくない自分もいて、実際先生の口から聞きたい。




「………噂を聞いたのか?」



「…………うん。」




「…………いないよ。」




………………え?
いないってことは噂は嘘?

じゃぁチャンスはあるってこと?



「遠山、俺はお前を特別な生徒だと思ってるよ………。」



『特別な生徒』


その言葉は貴方に恋をしてしまったあたしに対しての釘………?



「特別な生徒はそれ以上にはなれないの………?」




「俺は教師だから………。」



「うちらはただの人間だよ!!ウチ、学校をやめたっていい!!」




それぐらいの覚悟は最初からあった。ウチにとって恋は大切なものだから。



「それは………だめだ。」




「ウチは、南樹先生が好き!!」



「俺は…………言えない。嫌いじゃないから。」



嫌いじゃなければなんなの?

ウチのこの気持ち、どうすればいいの?



「だけど………。」



だけど…………?









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