one LIFE。



「………辛そうだよ?」



海里が心配そうにあたしの顔を覗き込む。



「………学校、やめようかなぁ。」



単純に呟いた言葉だった。


しかし海里は………




「だめだよ!!………南樹先生が教師だから?今に始まったことじゃないよ……。やめちゃ、やだよ。私が辛い………。」



海里は涙目であたしに言う。


海里………


今まであたしは海里の後ろを追っかけてるようだった。

海里は舞魅と仲が良くて………少しヤキモチ妬いたりしてた。

海里は一度も………友達としての愛情表現をしてくれたりしなかったから


以前あった喧嘩で二人の仲は冷めてしまったんだと思った。



けれどあたしは海里が大好きだったからどうしても繋ぎ止めたかったんだ。





けれどそんな必要はまったくなくって


追いかけてたんじゃなくて三人で歩いてたんだってことに気付いた。



海里はあたしのことを必要としてくれていたんだ。


それに気付かなかったあたしはバカだなぁ。




「海里ぃ………、ありがとう。やめないよぉ………。」




そういえば

先生にあたしは『やめたっていい』って言った。


先生がだめって言った理由………


今わかったよ。




あたしは知らないとこで大切にされていたんだね。









< 74 / 136 >

この作品をシェア

pagetop