one LIFE。

さみしさ





放課後、あたしは遼を探した。


電話番号とアドレスを書いた紙を持って………。




バカなあたしにはこれぐらいしか思いつかなくて。


やっと付き合えた遼を繋ぎ止めたかった。




あたしは職員室を覗いたけど遼はいなかった。


けど車はあるからきっとどこかにいるはず。



遼、どこ…………?



あたしは数学準備室に向かった。


あまり使われていないから後回しにしたけどもしかしたらいるかも。



ドアを開けると




遼はソファーで横になっていた。



「……………遼。」



あたしは思わず呼んでしまった。



「……は?遠山。………とにかく入って。そこじゃ人目につく。」



あたしはまだドアのとこにいたため、遼は焦って中に入れた。



「なんで来たんだ?」



「アドレスと電話番号渡しにきたんですぅ。」



そう言い紙を渡す。


「あぁ、そっか。メールするよ。」



先生は笑顔で受け取ってくれた。



「遼、あたしたちはデートとかできないの?」



できなくても別にいいけど一応聞いときたい。



「場所によるなぁ。遠いとこなら良いと思うけどこのあたりはキツいだろ。


………ごめんな?」



なんで遼が謝るの……?


もともとあたしが遼を好きになったのがいけないのに。



「別にいいよぉ!!あたしは学校でだって幸せだしぃ。

メールだってできるじゃん?」



「………そうだな。」




「だからそんな顔しないでよぉ……。」



遼の悲しそうな顔を見るとあたしも悲しくなる。




あたしは黙って数学準備室を出た。









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