one LIFE。



準備室を出ると廊下の向こうに佐野先生がいた。



佐野先生は美人で若く理解のある人で人気がある。

一時期、遼と噂にもなったことがあったっけ?




「遠山さん?こんな時間に南樹先生に何か用だったの?」



「………あ。ただ用があったんでぇ。」


あたしは少し、佐野先生が嫌いだ。

だってなんか馴れ馴れしいし、おせっかいだし。




「…………もしかして


付き合ってるの?」



佐野先生は心配そうに聞く。



「わたしは誰にも言わないわよ。

恋愛は自由だものね。

教師が生徒を好きになっちゃいけないなんておかしいわ。」



その時の先生の目は優しそうだけど少し悲しそうな目だった。



「佐野先生の好きな奴って、生徒なのぉ?」




「え!?な、なんで?」




あきらかに焦ってるし………。



「そうなんだぁ!誰なのぉ?」



「………え。えっと……」




佐野先生は恥ずかしそうにあたしを保健室に案内した。



「保健の先生は今日いないの。………少し話しましょうね。」



なんかあたしが思ってたイメージとだいぶ違かったみたい。

こんな先生ならもっと仲良くしてたのに。




「わたしね、柿沼さんが好きなの………。」



……………柿沼?

聞き覚えはあるけど誰だっけ……。



「柿沼卓巳くんよ。」



卓巳!?



「な、なんで卓巳なのぉ!?」



「ちょ、ちょっと………静かにして………」



先生は恥ずかしそうに焦る。





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