one LIFE。


『愛されてる』


佐野先生に言われ、やっと気付いた。


あたし全然知らなかった……


遼は自分なりにあたしを大切にしてくれていたんだ。



「南樹先生のとこに行ったら?まだ数学準備室にいると思うわ。」




「なんでわかるの……?」



そう聞くと佐野先生は優しく笑いながらこう言った。



「南樹先生はずっと前から遠山さんが帰るのを待ってたのよ。

遠山さんが残ってる間はずっと学校に居て、帰ったら自分も帰宅してたの。


あなたがまだ学校にいるのわかってると思うから南樹先生もまだいるわよ。」




なんで南樹先生があたしを待っていたの?



「あなたを見守ってたのよ。」



「そうだったんだ………。


あたし行ってくる!!」



あたしは保健室を出て数学準備室まで走った。


あたしが知らないとこで遼はずっとあたしを見守ってくれてたんだ………。




あたしは数学準備室の前まで来て、周りに人がいないのを確認し急いで準備室に入った。



「……………遠山!?どうした!?」


走ったせいで呼吸が荒いあたしを遼は凄く心配してくれてる。



「りょ、遼に……話が……。」



「走ってきたのか……?」



遼はあたしをソファーに座らせてくれた。









< 84 / 136 >

この作品をシェア

pagetop