one LIFE。




次の日もあたしは早めに学校に来た。




そういえば、遼を好きになってから夜遊びしなくなったなぁ………。


今まで担任になったことはなかったけど、この学校で一番印象が強い先生だった。




あたしは遼との思い出を思い出すたびに涙が溢れてくる。

一人は寂しいよ………。





「…………遼………。」




あたしは窓の外を見ながら遼の名前を呼ぶ。


そのとき、背中に暖かい感触がして何かに包まれた。




「………ったく。


泣くなよ。」




あたしを抱き締めてくれたのは遼だった。




「悪かった。


昨日、遠藤といた理由話す。



遠藤にお前のこと聞いてたんだ。」




じゃぁ海里といた理由はあたしだったの?




「あたしこそごめん。


あたし、遼と佐野先生の話聞いて迷惑かけてるって思ったの………。


問題用紙ができてないのはあたしのせいだって。


そしたら俊吾が勉強教えてくれるって言ってくれたの。


あたしは俊吾の優しさに甘えて…………


一番大切な人を傷つけちゃった。


昨日、卓巳といたのは恋愛相談されてただけなの。」




そう話すと遼はさっきより強く抱き締めてくれた。




「あたしには………このぬくもりだけで良い。


遼、ごめんなさい。」




あたしに必要なのは大切な人がくれる優しいぬくもり。

それをくれたのがあなたでした。




「俺、お前のこと愛してるから。


嫌いになんかならない。」



そう言い、遼はあたしに優しくて甘いキスをしてくれた。








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