お嬢様の秘密ー番外編ー
「………私は今秋本家に正式に養子登録されているけど。………私を捨てたの?」


うつむきギュッと目をつぶった。


つかんだスカートの裾はしわくちゃになっていた。


情けないくらい小さな声になってしまった。


聞く覚悟はあったのに。


「捨てるわけないだろう!」


ギュッと抱きしめてくれたお父様。


少し泣いているようにも見えた。


「………大事な子だから。自分たちの醜い争いに巻き込んでしまったから俺らが捨てられるべきなんだよ!」


「お父様………。」


私に仕えているときには決して見せてくれなかった激情。


いつも冷静で何を思っているのか、何を考えているのかわからなかった。


「………お父様たちの話聞きたい。」


私がどうして生まれたのか。


自分のルーツを辿ってみたい。


「正直に今話すべきだな。本当はもっと早く話したかったができなかった。」


ポンポンと頭を撫でて、昔のことを話してくれた。
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