お嬢様の秘密ー番外編ー
「恵梨香は高３の頃はもうだいぶ親の影響を受けすぎていた。だから真理亜を徹底的に育てたんだ。

秋本家の養子に出して後継者にして、今度こそさよ様の望みを叶えて開放されるために。」


だからいい子にしなさいって言われ続けていた………


お母様もお母様で苦しい人生なのかな。


「………会長はそんな私を守るために嘘の契約を結んで私を守ってくれた。」


めったに会うことはなかったけどちゃんとした教育を受けることができた。


「ユリにも会えたから、もう昔のことなんてドブに捨てるわ。」


「………真理亜。」


私からそっと離れて向かいの椅子に座った。


「………しばらく恵梨香を実家に預けるから。元気になったら会ってくれるか？」


「………うん。しょうがないから会ってあげるわ。」


しょうがないわ。


だってお母様なんだもの。


笑って許すことなんて出来ないけど。


親の因縁に巻き込まれて出来た私かもしれないけど。


お母様はお母様なんだもの。
< 61 / 134 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop