お嬢様の秘密ー番外編ー
「で、真理亜。今後ろにいる執事は秋本家の執事だろ?」


「そうよ。お祖父様が許してくださったから。でもなんで私の執事をやっていたの?」


「………さよ様からの監視だ。干渉してこないように。結局火の粉がかかったんだがな。」


コツコツという音とともに理央が近づいてきた。


そしてその座っていた私を抱き上げた。


「ちょっと降ろしなさいよ!」


「お嬢様は歩けますか?」


………うう。


そう言われれば私はまだあまり歩けない。


「話は終わったから構わない。………そういう関係か。遊びではないんだな?」


「遊びではございませんよ。………まあお互い遊び付き合いは昔ありましたが。」


「真理亜、俺はお前が誰を選んでも反対しないから。出来れば西月家を再興してほしい。」


………没落したあの家を?


「………やめておきます。私は秋本家の人間ですから。」


今度はユリを守りたい。


「………分かった。じゃあ母にそう言っておくよ。母もあの家が嫌いだったけど。またイギリスに招待しよう。」


会ってみたいな………他の親戚に。


「じゃあこの部屋の隣の部屋に階段があるから下の部屋使って。どこでもいいから。」


お父様に鍵を渡された。


「ありがとうございます。それでは参りましょうか。」


業務用の笑みを貼り付けた理央は気分が良さそうだった。


軽々と抱っこされて私は案内された部屋に向かった。
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