お嬢様の秘密ー番外編ー
理央は私を抱っこしたまま、手慣れた手つきで部屋の扉を開けた。


部屋はいくつかあって、ホテルのようになっている。


「ここは何の目的で使われているかご存知ですか?」


「いいえ………知らないわ。でもとりあえず下ろしてくださらない?」


ソファーもあるしベッドもあるし本当にホテルみたい。


理央は私をベッドに降ろしてくれた。


「ここは仮眠部屋なのですよ。………表向きは。」


「裏は何よ?」


「男女の密会部屋ですよ。保健室のベッドでやる人がいるから、保険医はこの地下を使わせるようにしたんです。」


「そんなことしていいの!?」


「学園は一部に語り継がれるこういう秘密はたくさんあるのですよ。だから伝統校は面白いものです。」


………何でお父様はここを貸しているのかしら?


「私も学生時代は毎日のように来ていましたよ。誘ってきた女を持ち込んで。」


本当に遊んでたんだ………。


私はキュッと理央の袖をつかんだ。


「………私とも遊びのつもり?」


「何をおっしゃるのかと思ったら。」


私をゆっくりと押し倒して組み敷いてきた。


「………やっぱり体なの?」


「………違う!………どうしたら分からせられるんだ?」


怒ったように揺れた瞳に思わず震えた。


「……私は本気ですよ。私は真理亜を愛していますから。」


「え………?」


今初めて愛してるって……



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