お嬢様の秘密ー番外編ー
私の膝が空いたので、葵は私に頭を預けてくる。


………お腹に手を回されているけど。


「陸はもう3歳か?」


「そうね………。どこを継ぐように育てるか決めなくちゃいけないわね。あと婚約希望もかなり来ているわよ。」


大企業の子息で将来が約束されている優良物件だからね。


でもまだほんの赤子だから受け入れはしないけど。


「坊っちゃまは年の割には賢いですよ。運動も出来そうです。」


「さすが俺らの子だな?」


上目遣いで私を見てきた。


「………葵は親バカね。まあでも苦労はしてほしくないから教育はしっかりしておきたいわね………。

広大さん、言語関係を遊び感覚で覚えるように工夫させて。」


「かしこまりました。」


スヤスヤ眠る陸には悪いけど………


将来を考えればこれは宿命だからいつかは受け入れてもらわなくちゃいけない。


「陸の誕生日はあと5ヶ月ぐらいか?」


「……そうね………。今年は家族全員が揃いそうだから誕生パーティーも開くのもいいかもしれないわ。」


「ユリがそれを提案するとは思わなかったが………。お披露目会はするべきだろうな。で、ユリは知ってるのか?」


「何を?」


私何かしたかな………?


「ユリが社交界に出るのは珍しいから会えたら奇跡の美女って言われてるんだぞ?」


私が美女………?


あまりにも似合わない表現に首を傾げた。


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