お嬢様の秘密ー番外編ー
もう始まって時間が経ってしまっていたみたい。


陸は葵のそばでちゃんといい子にしているわね………。


しっかりしすぎて不安になるんだけどな。


私は端っこの方に空いていた椅子に座らせてもらった。


「ユリ、大丈夫なのか?」


護衛兼ボーイとして会場に紛れていた玲央に話しかけられた。


「ええ。あとやりたいこともあるし………。でも近くにいてよ?」


「分かってるさ。じゃないとアイツの雷が落ちる。」


ああ………なんか想像できる。


私は玲央からブドウジュースをもらい、玲央はボーイの仕事に戻っていった。


「ねえ、あれってモデルの!」


「そうそう。突如現れた謎の美女でしょ?」


なんか私を見てチラチラしている人が多いわね………。


落ち着かなくなったのでもう少し陸たちの近くに行こうと席を立とうとした。





「ねえ、あなた。」


………なんでこう、お決まりが好きなのかしら。


いい加減にしてよ。


「何なのよその態度。話しかけてやってるのよ。謎の美女なんて言われてる、ユリさん?」


思わず顔に出ちゃったか………


集団で来たのはモデルの仕事の時にいたモデルたち。


力持っていたみたいでスタッフさんもビビっていたのよ………。
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