お嬢様の秘密ー番外編ー
「ご無沙汰しております。で、私の何かご用がおありかしら?」


ゆっくりと立って向かい合った。


今は高いヒールを履いていないから首を上げる形になってしまう。


「調子乗るのもいい加減にしなさいよ!誰が表紙を譲ってやったと思ってるの!」


………あれか。


表紙の座を取られて………っていったところか。


こんなことになりたくなかったから断ったのに!


「………私はご丁寧にお断りしましたわよ?」


「何よ!あなた女優も希望しているんでしょ?白々しい演技はしないでちょうだい!」


さらに距離を縮めてきた。


そしてリーダー格の女が私の肩をドンッと押した………。







………危ない………


とっさに避けたから大丈夫だったけど………。


床に倒れこんでしまっている。


『こういう場合に遭遇した時、お腹を守る受け身』っていう訓練をお母様にやらされていたのがまさか役に立ったなんて……


「そうだ、お酒飲みましょうよ?まさか私たちのお誘いを断らないわよねえ?」


近くにいたボーイを捕まえてシャンパンをもらっていた。


ボーイからは取り巻きのおかげで私が見えていない。


………壁際に追い詰められすぎたな。


飲み口を口に当ててきた。


「さあ、早く飲みなさいよ………!」




口に含まされる!と思った瞬間、口からグラスが離れた。




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