俺は、お前がいいんだよ。

「あっ!由依、次の授業…なんだっけ?」


「えっと、化学だから移動教室だ。私、図書室に寄りたいから、先に行くね。返却する本があるんだった…。」


「そっか、了解!」


お弁当を食べ終えた私は、手早く片付ける。


テキスト、ノート、返却本を持つと、教室を出た。


昼食後の授業って眠くなるんだよね…。


でも、化学の先生…バンバン当ててくるから、気をつけないと。


そんなことを考えて、廊下を歩いていると…


『かっこいい…』


『うわっ、目の保養…』


ヒソヒソと聞こえてくる女の子たちの声。


周りを見ると、廊下や教室の入り口から女の子たちが嬉しそうな表情を浮かべている。


その視線の先には男子生徒が二人。


一人はウェーブがかかった茶髪の男の子。


そして、もう一人の男の子を見た瞬間、私は目を見開いてしまった。


き、昨日の男の子…!!


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