俺は、お前がいいんだよ。
「ぜ、絶対なんてことは……」
「俺、今よりも伊織を好きになることはあっても、嫌いになることは有り得ねぇから。」
キッパリと言い切る瀬ノ内君は、自信たっぷりの笑顔。
見つめられた私は、思わず視線を逸らした。
心臓がドクドクと鳴り響く。
うるさくて、瀬ノ内君の耳に届いてるんじゃないか…と思うほどだ。
何これ…。
顔が熱い…。
爽やかな風が吹いてるのに、涼しく感じないなんて…。
どうしちゃったんだろう…。
戸惑っていると、瀬ノ内君は私の手を握る。
「そういうわけだから、覚悟しとけよ?」
「えっ?」
言葉の意味が分からず瞬きを繰り返していると、突然…優しく抱きしめられた。
「俺のこと、好きにさせてみせるから。」
耳元で響く声が鼓膜を震わせる。
顔を上げると、瀬ノ内君と視線が絡まった。