俺は、お前がいいんだよ。
Chapter*4
これが恋…?
「えぇっ!!」
ゴールデンウイーク明けの朝。
通学や通勤ラッシュを迎えた蒼井坂駅のホームに、恵理子の大きな声が響く。
「ちょ、ちょっと!!声、抑えて…!」
私は、慌てて口の前で人差し指を立てた。
「抑えられるわけないでしょ!“瀬ノ内君と付き合うことになった”なんて聞いたら、私に限らず、他の女の子たちだって驚くわよ!!」
「だっ、だから…もっと小さな声で喋ってよ!周りの人たち、不審がって見てるじゃない…。」
コッソリと耳打ちすると、恵理子は周りを見回してから苦笑いをした。
「ごめんごめん。連休明けの朝から、ビッグニュースを聞くことになるとは夢にも思ってなかったからさ。」
「ビッグニュースって、大げさでしょ。」
「そんなことないわよ!かなり衝撃的だったもの!」
興奮気味の恵理子は、私の肩にポンと手をのせた。
「んで、どうして付き合うことになったわけ?いきなり、そこまで関係が進展した経緯を聞かせてよ!」