俺は、お前がいいんだよ。

どうして、こんなところに……って、そんなの不思議でもなんでもないか。


昨日見た時、あの人の制服のネクタイの色…赤色だったし…。


私たちと同じ、1学年だもんね…。


でも、クラスは違うみたいだし…会うことは殆どないかな…って思ってたのに。


前方から、だんだん近づいてくる男の子たちから視線を逸らした。


よし、廊下の端をササッと歩いて、すれ違っちゃおう。


隣の茶髪の男の子と話しながら歩いてるみたいだし、私の存在には気付かないはず。


俯きながら黙々と足を進める。


次第に大きくなる男の子たちの話し声。


大丈夫、全然…気付いてない。


内心…ホッとしながら、すれ違った時だった。






「あっ、待てよ。」


降ってきた言葉と同時に掴まれた私の腕。


ビックリして顔を上げると、昨日の男の子が私を見つめていた。





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