俺は、お前がいいんだよ。
「嬉しい…?ど、どうして…?」
私と同じような気持ちになっている理由が知りたくて、すかさず訊ねる。
陽希は少し照れたように笑ってから、また私の手を握った。
「そんなの、由依が好きだからに決まってんじゃん。」
「えっ!?」
「もしも、他に番号の交換してる男がいたら、親しい関係なのか気になって、複雑な気分だし。俺だけってのは、嬉しいものがあんだろ。」
陽希が嬉しいのは、好きだから…なんだ。
それじゃあ、私の“嬉しい”って感じた理由も、陽希と同じ…ってことなのかな…。
「………っ…。」
な、何これ…。
心臓、すごくドキドキしてる…。
まるで“その通りです”って肯定してるかのよう…。
心の反応に驚きを隠せない自分がいた。
ということは、私は陽希のことが……好きなのかな…。
恋、してるのかな…。