俺は、お前がいいんだよ。
「そ、それなら…由依サマにお願いしたいことがあります!」
「何…?」
恵理子が私を“サマ”付けで呼んだり、敬語になるということは、面倒な内容に違いない。
不穏な予感…。
「今日の放課後の図書当番、私の代わりにやっていただけないでしょうか…。どうしても外せない用事が出来たので…。」
「えっ、図書当番?でも、私…委員じゃないよ?大丈夫なの?」
「うん、平気。中学の時に図書委員をやってた由依なら大丈夫だから!」
それ、どういう理由!?
高校では図書委員じゃないし、関係ないと思うんだけど…。
苦笑いを浮かべた。
「もう一人の図書委員の男子にお願いしたんだけど、用事あるらしくてさ。他のクラスの仲良い図書委員の子にも聞いたんだけど、都合つく人がいなくて…。」
そうなんだ…。
まあ、困った時は…お互い様だもんね。
「分かった。図書当番、引き受けるよ。」
「ほ、本当!?ありがとう、由依!」
了承すると、恵理子は嬉しそうな表情を浮かべながら、横から私に抱きついた。