俺は、お前がいいんだよ。

「は、はい…。」


不思議…。


一日中、女の子たちに冷ややかな目で見られたり、不機嫌そうな表情を向けられたりして、どんよりしてた心が軽くなった…。


「瀬ノ内君が誰を好きになるのも彼の自由なのに、みんな騒ぎ過ぎ。伊織さん、いい迷惑でしょ。両想いで付き合ってるんだから、文句言われる筋合いないよね。」


「あの、ありがとうございます…。」


こんな風に思ってくれてる人もいるんだ…。


ビックリしつつも、どこかで心強く感じている自分がいた。


これも、陽希のことが好きだから抱く気持ち…なのかな…?


だって、何とも思ってなければ…栗橋先輩の言葉を聞いても、心は軽くならないし、心強くも感じないよね…。


きっと、恋の症状…なんだ。


だとすると、私が陽希に惹かれてるところが、絶対にあるはず…。


そこに早く気付けたらいいな。



< 129 / 350 >

この作品をシェア

pagetop