俺は、お前がいいんだよ。

「は、陽希…!?」


突然のことで戸惑う。


アタフタしていると、陽希は私の頭をポンポンと撫でた。


「これなら、光るのが見えねぇだろ?だから、多少…怖さも軽減するんじゃないかと思ってさ。」


私のために、わざわざ…


「そんなことしなくても、自分で目を閉じていれば平気だからいいのに…。」


「でも、こうしていれば目を閉じる必要もないだろ?雷が収まるまで、暫く…このままでいるから。」


何よ、その優しい言葉…。


私が素っ気ないこと言っても、怒るわけでも呆れるわけでもなく、温かく声を掛けてくれるんだ…。


だったら私は…?


思ったこと、恥ずかしがらずに伝えなきゃ…だよね。


「陽希、あのさ…」


「ん?」


「今の…ナシ。自分で目を閉じていれば平気…っていうのは照れ隠しだから…。本当は…気遣ってくれて嬉しかった。あ、ありがと…。」


呟くように口にした後、私は陽希の制服の胸元辺りに顔を埋めた。


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