俺は、お前がいいんだよ。
少し、声…震えちゃった…。
なかなか上手く言えないな…。
心の中で溜め息を零していると、陽希からフッたと笑う声が聞こえてきた。
「今のは、ヤバいだろ。」
「えっ?」
「言ってること、可愛すぎるんだけど。」
「ど、どこが!?」
思わず顔を上げてしまったけれど、雷の光を見ないようにと、慌てて俯いた。
「どこが…って、そんなの全部に決まってんじゃん。いきなり素直なこと言われると、理性が揺らぐ。」
「それ、どういうこと…?」
なんで理性が登場するのか分からなくて、疑問符が頭に浮かんだ。
「まあ、そのうち…意味が分かるよ。それより、雷の音…結構鳴ってるけど平気か?」
「うん、大丈夫…。陽希と話してると、気が紛れるからかも…。」
「そっか、良かった。」
安心したような柔らかい声が降ってくる。
理性のことは、うやむやにされちゃったけど、深く考えていても仕方ないし、まあいっか…。