俺は、お前がいいんだよ。
「なっ、何してるの!?」
「こうすれば、お互い濡れることもねぇだろ?」
「それはそうかもしれないけど……」
これじゃあ、緊張に拍車をかけるじゃん!
心臓の音、だんだん大きくなってきたよ…。
こんなことになるなら、余計な心配するんじゃなかった…。
アタフタする私とは違って、陽希は落ち着いている。
…どことなく、嬉しそうな雰囲気だ。
「あ、そう言えば…ちょっと気になってたんだけど、図書当番…由依が一人でやってたのか?」
「ううん、2年の先輩とやってたんだけど、先輩…急用が出来ちゃって、図書室を閉める20分ぐらい前に帰ったんだ。」
「そうなんだ。先輩って、男?」
「違う、女の人。」
その答えに少し間を置く陽希。
不思議に思っていた時、私から照れくさそうに視線を逸らした。
「それなら良かった…。俺、相手が男だったら妬くところだった。」
「えっ…」
「…つまり、それぐらい由依が好きってこと。」
その言葉に心臓が慌ただしく跳ねた。