俺は、お前がいいんだよ。
えっ…
これって、キス…?
突然のことにビックリし過ぎて固まっていると、陽希はそっと唇を離した。
「あんまり責めんなよ、自分のこと。」
私の目元に溜まった涙を、陽希の親指が優しく拭う。
「そんなことが過去にあったら、疑うのも無理ないだろ。由依は悪くねぇよ。だから、謝らなくていい…。」
「でも、陽希を傷つけたし…」
「俺は大丈夫だから、気にすんな。」
「う、うん…。」
力なく頷くと、陽希は私の顔を覗き込んだ。
「言っとくけど、このことで…俺が由依を嫌いになるとか、そんなの有り得ねぇから。」
「えっ…?」
「今より由依を好きになることはあっても、嫌いになることは無い。前にも、同じようなこと…言ったろ?」
そう言えば、陽希が私に告白してくれた時…そんな風に言ってたっけ…。
「俺の初恋は由依で、今も…この先も好きなのは由依だけだから。ずっと変わらない。」
照れくさそうな笑顔の陽希に、心が震えた。