俺は、お前がいいんだよ。
今までと違う…って、どうして分かっちゃうの?
自覚してるか、していないかで…陽希に対する視線も変わるのかな…。
そう思ったら、頬だけでなく耳にまで熱が広がってしまった。
「ん?由依の顔、赤くない?」
「き、気のせいじゃないかな…。」
「いや、赤いと思うけど…。もしかして、今度は俺のこと…意識してくれてた?」
「ち、違っ…。それは違うから!ついさっき、少し泣いたから…そのせいかも。」
「そっか…。由依が俺を好きになってくれる日は、まだ先か…。でも、根気よく頑張るから。」
いいよ、そんなに頑張らなくても…。
歩きながら、心の中で呟く。
もう、私…陽希のことが好きだから。
恋してる…って、ちゃんと自覚したから。
顔が赤い理由も、陽希の言うとおりで意識してるからなんだ…。
でも…咄嗟の照れ隠しで、素直な本音を言えなかった。
陽希の横顔をチラッと見た後、私は胸元に手をあてた。
この気持ち、言葉にして伝えたいけど…今は胸いっぱいの強烈なドキドキで言えそうにない。
この場では無理だけど、近いうちに陽希に伝えるから…
少しだけ、待ってて…?