俺は、お前がいいんだよ。
そう決意しつつも、陽希に言い出すタイミングが掴めないまま数日が経過した、ある日。
朝、電車に乗り込んだ私に一通のメールが。
送り主は陽希だった。
“ごめん。今日、妹が熱出したから学校休む。”
そう簡潔に書かれていた。
陽希、学校に来ないのか…。
キョロキョロと車内を見回した後、出入り口のドア付近に立った。
いつもなら、この車両のこの辺りに陽希がいて、私が乗り込んでくると“おはよ。”って、笑顔で声を掛けてくれるんだよね…。
その挨拶で一日が始まるんだ。
なんだか、何もないのは…調子狂うな。
スマホの画面を見たまま、小さく溜め息を零した。
でも、妹さんの体調が悪いんだから仕方ないよね…。
陽希が学校を休むということは、両親が仕事でいないとか…?
看病するの大変だろうし、陽希…大丈夫かな…。