俺は、お前がいいんだよ。
「柏木君…!?」
思わず大きな声をあげる。
それに反応して私の存在に気付いた柏木君は、こちらに近付いて来た。
「誰かと思えば、伊織ちゃんか!まさか、人がいると思わなかったから驚いた。」
「ど、どうしてここに…?」
「女の子たちから、一緒にご飯食べようって誘われたんだけどさ、今日は一人でゆっくり食べたい気分だったから、断って逃げてきたんだ。」
「……そうだったんだ。」
柏木君も陽希みたいにファンが多いから、お昼ご飯を一緒したい女子は、たくさんいるよね…。
でも、毎日…となると、さすがに大変だよなぁ…。
一人になりたくなるのも分かる気がする。
「…………。」
となると、私がこの場所にいたら、柏木君がゆっくり出来ないじゃん。
「あ、それじゃあ…私がいたら邪魔になるね。お弁当…ほぼ食べ終わったし、教室に戻るよ。」
食べかけのお弁当箱のフタを閉める。
片付けようとしていると、柏木君は私の隣に座った。