俺は、お前がいいんだよ。

「女の子たちと接する時に、常に笑顔で合わせてばかりいたら疲れるでしょ？だから、男の子たちと…つるむ時間とか、一人の時間とかを、今より増やせばいいと思う。」
　

「あ、うん…。」


「っていうか、私は…無理して愛想笑いしなくてもいいと思うけどな…。笑顔だけが柏木君の表情じゃないんだし。」


「…………。」


あ……。


私ってば、何を図々しい発言してるんだ。


そのせいで、柏木君が固まってる…。


「えっと、余計なこと言ったよね…。今のは、忘れてもらっていいから。」


また“面白い子”とか言われて笑われそう。


恥ずかしさを感じながら、残っていたお弁当のご飯を急いで食べた。


「俺、そんなこと…女の子に言われるの初めて。伊織ちゃん、ありがと。」


「えっ…」


今、お礼…言われた！？


てっきり笑い飛ばされるものだと思っていただけに、拍子抜けしてしまった。