俺は、お前がいいんだよ。

「瀬ノ内君には、友達の柏木(カシワギ) 誠君っていう男の子がいるんだけど、その人もカッコいいのよ。瀬ノ内君たちは、今年の新入生の中で“注目のダブルイケメン”って、騒がれてるぐらいなんだから。」


「へ、へぇ……」


ということは、さっき…瀬ノ内君の隣にいた男の子が柏木君かな…。


確か、瀬ノ内君が“誠”って呼んでたような気がするし…。


「私、実は柏木君のことは中学の頃から知ってるんだよね…。彼、バスケ部でさ。地区大会や、うちの中学との交流試合で何度か見てたの。柏木君…中1の頃からスタメン入っていて、めちゃくちゃカッコ良かったんだよ!」


「そっか、恵理子…中学の時は男子バスケ部のマネージャーしてたもんね。」


「うん!あの頃…柏木君ほどカッコいい男の子は他にいないと思ってたけど、この高校で、彼に匹敵…いや、上回るぐらいの男の子に出会うとは思わなかったよ。」


「それが、瀬ノ内君…?」


おそるおそる訊ねる私に、恵理子は目をキラキラさせながら頷いた。


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