俺は、お前がいいんだよ。
その後、スーパーで手早く材料を購入した私。
買い物袋を手に持ち、再び陽希の家を目指して歩きだした。
「色々と食材を買ってたけど、今日は何作るの?」
「あ、えっと…陽希にはハンバーグとサラダとスープ。妹さんには、野菜や卵を入れたお粥…作ろうかな…と。」
「へぇ、すごいじゃん!盛りだくさんだね。」
「そ、そんなことないよ…。でも、作った料理…陽希や妹さんに喜んでもらえるといいな…。」
そのためにも頑張って作ろう…。
買い物袋を見ながら、心の中で気合いを入れていた時だった。
「……あのさ、伊織ちゃんに聞いてもいい?」
「ん、何?」
柏木君に視線を向けると、躊躇いがちに言葉を続ける。
「どうして、陽希と付き合おうと思ったの?」
「えっ……」
「ちょっと気になってたんだ。伊織ちゃん、最初は…陽希に興味なんて無さそうに見えたから。」
確かに…。
柏木君から見れば、そう感じるのも不思議じゃない。