俺は、お前がいいんだよ。
「じ、実は…連休中に陽希から告白されて、“付き合って欲しい”って言われた時、私…断ろうとしたんだ。」
「そ、そうなの…!?」
「うん。陽希を好きなのかどうかも分からなかったし、それ以前に陽希のこと…殆ど知らなかった。そんな状態で付き合うのは無理があると思ったの。」
「それは、まあ…そうだよね。」
柏木君がコクンと頷く。
「でも、陽希に“拒否するのはナシ”って言われたんだ。“知らなければ、付き合っていく中で知っていけばいい…”って。」
「ふーん、陽希のヤツ…強引に出たね。」
「うん。だけど、そういう考え方もアリかもしれないなぁ…って、心のどこかで納得してる自分がいたんだ。それに、陽希から…嫌になったら、振ってくれていい…みたいなことも言われたの。だから、とりあえず…OKをしたんだ。」
「そっか。伊織ちゃん、陽希のことが好きで付き合い始めた…っていうわけじゃないのか…。」
ビックリした様子の柏木君にコクコクと頷いた。