俺は、お前がいいんだよ。
「でも、私…自覚してなかっただけで、その時は…既に陽希のことを好きになり始めてたみたい。」
「えっ…」
「実は、あの日…告白される前から陽希の言動にドキドキしてたんだ。緊張とは違う、今まで経験したことない症状だった。」
よく分からないドキドキに戸惑ったんだよね…。
「告白された後は、胸のドキドキが激しくて、顔も火照ってるんじゃないかと思うほど熱かったの…。その日の夜は、陽希のことばかり考えて、なかなか寝付けなかった。あんな不思議な症状、生まれて初めてだったんだ。」
「……その症状、完全に恋だね。」
「うん。でも、私…それが恋だなんて思ってもみなかったんだ。だから、友達に“恋してると思うよ”って指摘された時、信じられなくてビックリした。」
「…そっか。」
柏木君は呟くように言葉を零す。
「それでね、これが恋なら…私は陽希のどこに惹かれてるのかな…って考えたんだ。」
「……んで、アイツのどこが好きなの?」
そう聞かれた途端、カアッと顔が熱くなるのを感じた。